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犬のイキイキ♪ペットライフ 人、場所、アイテムなどジャンルを問わず犬との楽しいライフスタイルをご紹介します。

イラストレーター木内達朗さん

犬や動物を愛する人に向けた書籍『犬は人が好き。』(学研発行)、『どうして?』(アスペクト発行)などに絵を描いているイラストレーター木内達朗さんが今回のゲスト。 15年つきあった愛犬と最近別れを経験した木内氏。猫よりも犬のほうがカタチを描きやすいという彼の、愛犬との出会いや作品について伺いました。

やっと叶った念願の犬との暮らし

作風に人柄は表れる!
絵と
同じように穏やかな
空気の持ち主。
作風に人柄は表れる! 絵と
同じように穏やかな 空気の持ち主。
→木内さんの描く犬はとても優しい目をしていますが、ご自身は犬を飼った経験はあるのですか?
「ついこの間亡くなったんですが、ウニ(木内さんがウニ好きとの理由で命名)というメスの柴犬がいました。結婚前に飼ったので結婚後は一緒に暮していませんが15年のつきあいでした。 もともと小さい頃から犬が好きだったのでずっと飼いたいという願望はあったんです。でも動物嫌いの祖父と同居していたので実現したのは大人になってから。やっと願望が叶うことになり嬉しくて飼うならパグがいいかなと犬の居る生活を想像して楽しみにしていました。ところが、たまたま紹介されたブリーダーが「柴犬が一頭余っています」ということだったので、「あ、じゃあ柴犬がいいです!」ってあっさり。それでウニが我が家の一員になったんです。」

→犬のしつけ訓練などはなさったのですか?
「本で紹介されているような程度のしつけはやりましたけど、だいたいは自己流で。
でも、両親や弟たちも面倒見ていてやり方が皆それぞれだから、ルールが統一されてなくて、ウニは大変だったかも(笑)。僕は一番厳しいほうだったけど、他の家族は結構甘やかしていて、散歩の時は僕の場合は常に隣に、でも家族のときはリード伸ばし放題みたいな(笑)。
でもウニはどちらかというとすごくおとなしい性格で、猫を怖がるくらい。家の中からだとワンワン吠えるのに、外で猫に出会うとシュンとしてました。」

柴犬ウニとの出会いは木内さんにとって大きかったようで、それは、「柴犬人会」という一コマ漫画に表れています。
「あれは勝手に遊びで描いているナンセンスな一コマ漫画なんですが柴犬とその仲間達・・・みたいなもので、アイデアとかふと思いついた時書くものだから、まだあんまり数がないんですけどね。」クスッと笑えるような文章が添えてある愛嬌のある作品。インターネット(http://www.mejirushi.com/)でポストカードとして購入できます。
まだウニが他界して時間が経っていないので、あまり考えていないけれど・・・という木内さん、もし次に飼うとしたら?
「やっぱり柴犬でしょう!魅力?うーん、なんでしょうねえ。あのさっぱりした感じかなあ?!でももし最初にパグを飼っていたら、僕の描く犬ってどんな感じになっていたんでしょうね?(笑)」

感性が物語るイラストレーション

木内流ナンセンス一コマ漫画<柴犬人会>。
どことなくノスタルジックでオシャレなのデス。
木内流ナンセンス一コマ漫画<柴犬人会>。
どことなくノスタルジックでオシャレなのデス。
「どうして?」を手に取り、「文章を素直に
描いたらかわいく仕上がって、最終的にカバーになったカット。気に入っています」
「どうして?」を手に取り、「文章を素直に
描いたらかわいく仕上がって、最終的に
カバーになったカット。気に入っています」
木内さんは、<人間の都合で沢山の犬が処分されている>という事実を、犬の目を通して書かれた書籍『どうして?』(原作:ジム・ウィリス・文:石黒謙吾・発行:アスペクト)に絵を描いています。
→『どうして?』などの書籍に絵を描くにあたり、どんな取り組み方をなさるのですか?
「こういう風な絵をという具体的な依頼もありますが、だいたいは文章を頭に入れて、自分の中から湧いて来るイメージを描きます。以前出版された『犬は人が好き。』(学研)の時とは、『どうして?』はアプローチがちょっと違いました。
内容が、処分されていく犬のことが書かれていて、そのまま説明的に絵にすると生々しくなってしまうので、できるだけそうならないように配慮しましたね。」
確かに、読みながら胸が迫る思いを少し和らげてくれる、透明感のある木内さんの絵。生々しいと嫌悪感すら与えてしまうこともありますが、木内さんの軽やかなイラストはかえって一層切実にこの事実を読み手に刻み込みます。文章との相乗効果をもたらすイラストの役割の大きさを感じる作品です。
ストーリーも私達人間と動物との関わりを改めて考えるべきもので、ぜひ動物を愛するジョイペットサイト読者の方には読むことをお薦めします!

→『どうして?』の中で印象に残っているカットはありますか?
「そうですねえ、文章に対して素直に描いた絵で赤ちゃんの手が犬の方耳を持ち上げているカットかなあ。犬が「あれ?」っていうような目をしているのですが、かわいい感じでタイトルとも合うので最終的にこれはカバーにも使われることになりました。
文章をそのまま表現した絵ではないのですが後半の海のシーンを使ったところも文章と相まって読み手がぐっとくる感じに仕上がったと思います。」
→他に犬関連で手がけたものは?
「犬関連で最初に手がけた本で渡辺眞子さんの『そこに愛がありますように』です。
これは作家自身が経験したペットロスについてのエッセイですが、イラストをphotoshop(コンピュータ)で描き始めた頃なので今の感じにたどりつく前の少し違うタッチになっています。もっと初期だと動物病院関連のカレンダーがあって、この頃は油絵で描いていました。」
猫よりも犬のほうが見慣れているせいかカタチを描きやすいという木内さん。「犬の仕事をするとまた犬関連の依頼が来るんですよね。だからなかなか猫を描くことがなくて(笑)」
絵と同じような穏やかな印象の木内さんに、<作風に人柄は表れる>ことを実感。

モノが好き

コレクションの棚にさりげなアンティークの犬がちょこんと。
コレクションの棚にさりげなく
アンティークの犬がちょこんと。
インテリアの一部のようにずらりと並んだ画集や写真集。所々にはお気に入りの小物が。
インテリアの一部のようにずらりと
並んだ画集や写真集。所々にはお気に入りの小物が。
木内さんは、限られた時間の中でなかなかイメージが湧かないときは、好きな画集や写真集を開き感性を呼び覚ますそう。画集を始め、好きな書籍がぎっしりと詰まっている本棚はインテリアとしても美しく、そこには都会的な作風の根元を彷彿させるセンスが映し出されていました。「実は50年代のおもちゃや北欧の陶器などを扱うお店をイラストの仕事とは別に去年までやっていたんです。」

なるほど、おしゃれなはずです。家の内装も友人の家具屋さんに相談して手をかけたというほど細部にこだわりがみられ、ガラスケースの中にはビートルズの人形やミスターピーナッツなどのアンティークがずらりと並んでいてそれは見事!「モノが好きなんですね。特に古いモノが。あと、服やバッグなどの柔らかいモノより、極端な話、鉄のカタマリのような硬いモノが好きです。」硬いモノというと何やら不思議な感じですが、それはフォルムの美しさに惹かれるのだということらしい。

そして「デザインされたスタイリッシュなものより、必然性から生まれた形、つまり機能美のようなものが好き」で「質実剛健なもの、モダンとクラシックとインダストリアルとカントリーが少しずつミックスされたような雰囲気のある空間が好き」と自身のHPで語る木内さんのこだわりは軸がブレルことなく、仕事、ライフスタイルすべてに映し出されているのが伺えました。
そんなオシャレな木内さんの今後のお仕事がますます見逃せません!

『どうして?』の著者、石黒謙吾氏より

地球上で人間は1番なのか?!ということを問う必要性を感じる『どうして?』(絵・木内達朗/アスペクト)。
その著者、石黒謙吾氏(『盲導犬クイールの一生』(秋元良平・写真/文芸春秋)、『パピーウォーカー』全日出版など多数の著書を出版)の言葉を最後に読者にお伝えしたいと思います。
(『どうして?』あとがきより抜粋要約)

日本で1年間に殺処分された犬の頭数は年々減ってはいるものの、2003年度の統計でも17万頭にもなります。
犬種ブームで利益追求のために行われる乱交配、酔った勢いで買う客を狙って夜中まで営業する歓楽街のペットショップ、こういった人間のエゴが引き起こした問題も大きく、不人気となった犬種の大量放置や殺処分は愚劣極まりない行為です。
こういった行為をなくすよう動物を愛するものひとりひとりが少しでも声をあげていきたいものです。一方的な非難にとどまらず、どうしたらなくしていけるのか、自分にできることはないかと考えながら。犬や猫の子どもが産まれて引き取り手を探している人がいれば希望者を見つけて受け渡しまでフォローする。しかも希望者の家を訪ね、本当に安心して犬が飼える環境かを判断してから預かってもらう・・・この里親ボランティアなどはまさに少しだけ手を伸ばせば誰にでもできることといえます。

一般的にかわいそうなことを見聞きして、心を痛めて嘆かわしく思うこと。それは、何とか手をさしのべたい気持ちのはじまりなのです。皆さんの子どもやご両親がつらい状態でいればいたわりたくなるように、相手が犬であれ動物であれ、弱っていれば何とか救ってあげたいという気持ちが湧いてくるはず、それが人間が本来持っている心だと信じます。


■木内達朗(キウチタツロウ)

http://www.mejirushi.com/
・イラストレーター
・有限会社東京目印代表
・東京イラストレーターズソサエティ会員
・柴犬人会会員

国際基督教大学生物科では、材料が安いから君はこれにしなさいと言われ、ゴキブリを飼育して卒論を書く。生物学における理想と現実のギャップに憮然として渡米。
イラストレーションの勉強を始める。
1992年に帰国、以後フリー。
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